見つけておねがい見つけないで

幸福は証明できない

愛について高尚なことを語る前に

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一度悪くなったものが「治る」までにはかなりのエネルギーを使うらしい。

通常の、良くも悪くもない状態を維持するのに使うくらいのエネルギー量では、悪くなったものを治すことはできない。そのうち治るかな?と思って様子を見ていても、よくない状態が維持されるだけで、もとの元気だったころには戻らない。こうして己のキャパシティが小さくなっていくのかと思うと、新たな物事にチャレンジするのにも足がすくむ。

 

転職を決めてから、唇の荒れが治らない。

熱が出たりお腹が痛くなったりするのではないから、生きていくのに差し支えないけれど見た目が悪い。原因がわからないから不安にもなるしテンションが下がる。この前なんて合コンなのに唇の荒れ方が半端なかったから、毛羽立ち、皮向けを隠そうとリップ系のアイテムを4種類くらい重ねた。おかげで飲み食いしてもリップが落ちきらなかったのはよかったけど、もう少し明るいところだったら、見られたものじゃなかったと思う。

病名をぐぐると、どうやら剥脱性口唇炎というものらしい。治療法が確立されてないこともあり、同じ症状で悩んでる人のブログやらコメントやらがたくさん出てきた。

 

唇の荒れはリップクリームを塗れば治るとかではなく、なにをどう施してもバサバサのガサガサで、明らかになにかがおかしい。

去年は下唇の下側、顎につながる皮膚と唇の皮膚の境目が毛羽立つくらいだったのに、いまや上唇も含め、唇と顔の皮膚の境目がすべてボロボロになっている。

ここ一年間くらい、リップクリームを塗ったりオイルをつけたりして様子を見てみたけど、治る兆候はない。自然治癒力なるものに期待していたけど、わたしのなかにそんなエネルギーはもう残っていないようだ。

ようやく「治す」という意志をもって行動するしかないのだと気づいた。

 

今日たまたま会って話をした1歳年下の友だちは、「自分が思うキャパの8割くらいにすべての行動を抑えている」と言っていた。残りの2割で、優先順位の低いけれどしかしやったほうがいい諸々、たとえば家の掃除や片付け、健康的なごはんを作ることなどができるのではないかと言う。

わたしの場合は、キャパの2割を「唇の不調を治す」ことに使うべきなんだろう。 

唇が荒れている原因はわからないけれど、もしかしたら食事が悪いのかもしれないし、規則正しい生活ができてないことからきてるのかもしれない。原因を知ることも含めて、食事なり生活を変えたほうがいいのはたしかだ。

それにしても生活習慣や日常的な行動を変えるのは大きなエネルギーを使う。2割どころでは足りないかもしれない。だけどすべてを変えようとしたら、たぶんそれこそキャパオーバーでまわらなくなる。それでは本末転倒ですね。

 

やはり日常をこれまで通りにこなしながら、すこしだけ余白を設けて、たとえば朝ごはんにお味噌汁を飲むとか、土曜の夕方は家にいるとかいつもと違う「ちょっと心身に良いかもしれないこと」をやってみるといいのかもしれない。

もっと若ければ、(あくまで絶対評価の若いだけれど)治ればいいなと思ってるうちに治ってるような不調も、いまでは意識してそこにエネルギーを向けなければ治らなくなっている。

老いや体のSOSには逆らえないから、変化を真摯に受け止めながら、そのつど柔らかく対処していきたいと思う。

 

誰かと付き合う前に、まずは自分と付き合えるようになりたい。よくわかって、もうそろそろいいかなってころになって、ようやく誰かと向き合える気がしている。